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大千穐楽レポとは言えないかも/『ディートリッヒ 生きた愛した永遠に』

 『ディートリッヒ 生きた愛した永遠に』の第二幕、ドイツの降伏を告げるラジオ放送を聞いて、青山航士さんが「戦争が終わったぞー!」と叫ぶ場面がありましたね。戦場という果てしない殺戮の場から解放されて、「生きて帰る」青年兵士の喜びが光輝くようでした。舞台ではディートリッヒに母親の無事がすぐ告げられましたが、実際には終戦直後の混乱のため、生存確認は難しく、死に物狂いで各地を探しまわったそうです。連合軍の管理下となったばかりの強制収容所にも立ち入り、ナチスによって人間の尊厳を踏みにじられた遺体の山の間も探し、この世の地獄をつぶさに目撃しました。三年間にわたり戦場の悲惨を見つめてきた彼女でも、このときはショック状態になってしまったそうです。

 ディートリッヒの親族は無事でしたが、受けた衝撃は大きく、アメリカという戦場にならなかった国、ハリウッドという贅沢と虚構の街には二度と帰らない、とまで思ったそうです。もちろん彼女のような大輪の花が放っておかれるわけはなく、名監督ビリー・ワイルダーとの出会いもあって、再び華やかなライトのなかに彼女は戻って行きましたが、誰よりも戦争の醜さを知る彼女だからこそ、永遠の美の女神になれたのかもしれません。
 さすがに50年代後半ともなると巨大産業と化していく一方のハリウッドと彼女の間には距離ができ、彼女は撮影所ではなく、古巣ともいえるヨーロッパの劇場でライトを浴びることになります。舞台ラストのドイツツアーもそんな一つで、65年には青山さんが2001年に出演したエディンバラ国際フェスティバルにも登場していますね。ロンドン公演で本当の戦場の哀しみを知る彼女が歌う「花はどこへ行った」の素晴らしさは、各紙から絶賛されました。そして67年、子宮頸癌を患い、長年の喫煙による持病に苦しみながらも、満を持してブロードウェイの舞台に立ちます。

 終戦後は真剣に引退を考えた彼女でしたが、後から思えばキャリアのまだ半ばでしかなかったんですね~。本当に長く愛され、求められた大女優で、『ディートリッヒ 生きた愛した永遠に』の出演者にもご利益がありそうな気がします。宝塚時代を知らないから、と言われそうですが、大千穐楽の和央さんにも、元男役トップスターとしてのキャリアよりも「これから」を感じる舞台でした。心からの想いを「伝える」んだという強い意志で築き上げられた生涯を描いた舞台の幕引きは、「終わり」でなく「始まり」の拍手が似合うかもしれません。
 ディートリッヒの67年ブロードウェイ公演が本格的な準備に入ったころ、ボブ・フォッシーの『スィート・チャリティ(66)』が一年半にわたる初演を終えています。またその一方で、後に『CHICAGOシカゴ』と映画『キャバレー』をフォッシーとともに作り上げることとなるフレッド・エッブ&ジョン・カンダーのコンビによる1930年代ベルリンを舞台にしたミュージカル『キャバレー』が上演中でした。ディートリッヒの『嘆きの天使』にはフォッシーもアイディアを得たと言われています。さすがブロードウェイ、役者がいつも勢ぞろいで、いつの瞬間も「お楽しみはこれからだ」ですね。・・・おかげさまで青山ファンもそうなんだけど~♪
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テーマ : ミュージカル
ジャンル : 学問・文化・芸術

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公演は終わったけども。

ディートリッヒブログがなんと更新されていました!

アンサンブルの皆様からの感謝の言葉。

ちょっとウルッと来てしまいました。
公演回数も少なく短い期間だったけどとても素敵なカンパニーになって感動してます。
またいつか皆さんに会えますよねえ、、、

楽しいブログでしたよね~

「あっこちゃん」の優しさのにじみ出る記事が毎回楽しみでしたが、最後もこんな大サービス・・・v-19
こんなところで言っても届かないかもしれないけれど、本当に有難うございます、と思わずv-22言いたくなります。
スタッフさんの暖かさもこの舞台の魅力でした。
また会いたいですねv-343

終わってからも

「ディートリッヒ」は舞台として目に見える形ではなく、心に写し撮りました。

管理人さまの「その後のディートリッヒ」のお話、ちょっと嬉し涙が出ました。。

No title

>ゴージャスようこさん
「その後」といえば、ディートリッヒの最晩年にもインタビュー映画が制作されたんですが、その頃はもう車いすの生活を送っていたそうです。
なのに出演していた映画のなかから、映画中に挿入する候補の映像を事前に知らせておいたところ、そのひとつひとつの長さを秒数に至るまで覚えていたというから、すさまじいプロ根性ですよね。
改めて昔の映画が見たくなりました。
青山さんの監督姿も目に浮かぶし・・・

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