スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ディートリッヒと「黄金の20年代」

 1923年11月、1ドルの為替レートがついに4兆2000億マルク(うっそぉ~~~、と思うけど事実)。アメリカがドーズ案で一気に「1ドル=約4マルク」と決め、ようやく狂乱じみたインフレが終わりました。青山航士さんの2006年の出演作『グランドホテル』が描いていたベルリンの「黄金の20年代」は、このとき本格的な輝きを放ち始めます。

 敗戦の巨大な重荷を一つおろした街に、芸術家たちのエネルギーと、刹那的な開放感をもとめるサブカルチャーが爆発しました。女装・男装などのコスプレが流行り、あらゆる欲望が噴き出すような状態だったようです。インフレのただなか、21歳で結婚・翌年出産したディートリッヒを、その新しい幕があいたベルリンは待っていたかもしれません。

 新時代の訪れとともにスウェーデン出身のグレタ・ガルボがスクリーンの話題をさらい、ハリウッドへ進出していったことはディートリッヒの耳にも入っていたことでしょう。このころの彼女は、そのあまりにも美しい脚と官能的な美貌のために、典型的な「妖艶な女性」というイメージでとらえられ、かえって損をしていたようなところがあったそうです。当時のヨーロッパ演劇界をリードしていたマックス・ラインハルトの主宰する劇団に所属していたこともある彼女は、本格的な女優になる夢を抱き続けていました。

 26年の映画『海辺の決闘』では、美しい脚を包み隠すような、のちに彼女のトレードマークにもなるシルクのパンツスーツ姿が記録されています。当時女性のパンツスーツ姿は「男装」のように見られ、女性の新しい生き方を宣言するように、街に広がっていったそうです。このころ、クレア・ウォルドフという舞台裏を支えるブレーン的な女性とも出会い、男性・女性の両方をひきつける女優、マレーネ・ディートリッヒのイメージが固まっていきました。ただ音楽への想いはかわらず、いつも蓄音機でクラシックを聴いていたといいます。

 当時、戦勝国ニューヨークのショーがどちらかといえば他愛のない、エンターテインメント重視の内容だったのにくらべて、敗戦の傷跡深いベルリンを中心とする演劇界では、ひとくせもふたくせもある野心作が生まれていたそうです。クルト・ワイルとブレヒトのコラボ『三文オペラ』を想うと納得ですね。そしてディートリッヒが出演した辛辣な風刺をはらんだ作品『空中の出来事』は、『三文オペラ』に次ぐ成功を得て、彼女は「ベルリン一の美脚」というタイトルとともに、スターダムにのし上がりました。「黄金の20年代」という時代が選んだディーバが、ヴァンプのような容貌に知性をたたえ、性をも超越するような、複雑な魅力のディートリッヒだった、というのは本当に象徴的な感じがします。
 
スポンサーサイト

テーマ : ミュージカル
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新コメント
Links
青山航士さんご本人ブログ


青山航士さん所属事務所


パソコン版公式ファンサイト
only one
お友達ブログ
☆青山航士さんを囲む☆おしゃべり広場
観劇歴の長いゴージャスようこさんが青山ファンのおしゃべりスペースを作ってくださいました。皆さん是非お立ち寄りください。

わし的パイプのけむり
『うたっておどろんぱ!』再放送をご縁にお邪魔しています。管理人テルテルさんのプロ顔負けの写真の数々、是非ご覧ください。

ダンサー青山航士さんを想って
みんちゃん さんの書く青山さんファンブログ。『うたっておどろんぱ!』時代の懐かしい話題もいっぱいです。

大雪 切々と語る
青山さんファンの管理人・大雪さんの文章が面白いんです♪ ファン心理の描写は思わずうなづいてしまう人も多いのでは。

さっちゃんのまあそんな感じの日々
いつも管理人が見逃す貴重な情報を寄せてくれるさっちゃん さんのブログ。宝塚にもとっても詳しいんで す。

haruのブログ HARERUYA!!
デコアートは「先生」級のharuさん。おどろんぱ時代からの筋金入り青山さんファンです。遠距離サークル活動、これからも楽しみましょう♪
クリック募金
1クリックで1円募金。覗いてみてください。
クリックで救える命がある。
only one 携帯版 QRコード
携帯端末の多様化に伴い、どなたにも見て頂けるよう携帯サイトはBASIC版に一本化しました。。表示が乱れるときはご相談ください♪
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

only one

Author:only one
青山航士さん最新情報の発信とファンの皆さんの交流の場・only one informationへようこそ!。
ご意見・ご要望また観劇レポートは下記アドレスまで。
ka_support@koji-aoyama.com
独自ドメインのため、お使いの機器の受信設定により返送・遅配されることがあります。お返事は必ず差し上げていますので、返信のない場合はお手数ですがブログのコメント欄の「管理人のみ閲覧可」設定からご連絡ください。Thank you!!

最新トラックバック
検索フォーム
青山航士さんに関するご案内メールの請求は
青山さん所属事務所の(株)エフ・スピリット様より、公演・イベント・DVDなどの情報が配信されます。
お名前明記のうえ、下記アドレスまで送信してください。
『SHOW店街組曲』(2007)
主演:
中山秀征さん・真琴つばささん
作・構成・演出:
すがのこうめいさん
青山航士さんが八百屋さんの「コウジ」と謎のダンサーXの二役を演じています。
このブログのQRコードです
QR
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。